Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate

Aozora Bunko

そこで庄吉は按吉に当てて、この手紙見次第小田原へ駈けつけてくれ、君の顔を見ること以外に外の何も考えることができない、という速達をだした。

然し彼はこの三年来、按吉ぐらい憎むべき奴はいないのだった。憎むべく、呪うべき奴なのである。もっとも、親切な奴ではあった。夜逃げの家も探してくれる、借金の算段もしてくれる、夜逃げごとに変る倅の小学校の不便を按じて私立の小学校へ入学させてくれる、そういう時は親身であった。然し彼は先輩に対する後輩の礼儀というものを知らないのである。

会えば必ず先輩庄吉の近作をヤッツケる。庄吉は酔っ払うと自分で自分にさんをつけて三枝さんと自称したり三枝先生と自称する。すると按吉は、うぬぼれるな、と言う。なんだい、近ごろ書くものは。先生ヅラが呆れらア、てんで小手先のコシラエ物じゃないか、殻を背負って身動きもできないじゃないか、第一なんだい、自分の小説を朝昼晩朗読するなんて、あさましいことはやめなさい。こういうことを言う。必ず言う。

三枝庄吉は怒り心頭に発し、彼を知る共同の知友に手紙を書いてアイツはウヌボレ増長慢の気違い、礼儀を知らず、文学者の風上に置けぬ奴と宣言を発し、忿怒、憎悪、三ヶ年、憎さも憎し、然し、ふと、苦悩の度に奴を思う。