Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate

Aozora Bunko

などと一人前に口上をのべて先生を怒らせてしまったものだ。

そこで鬱憤もあるところへ、再び女房がワッと泣きこんできたから、大いに同情し、行くところがないから泊めて、と言うが、脛カジリの大学生では両親の手前も女は泊められない、そんなら一緒に旅館へ泊りに行きましょうと、元々その気があってのことで、手に手をとって失踪してしまった。

一週間すぎても帰らない。庄吉もまったく狼狽して実家へ問い合せたがそこにも居らず、探してみると浮田信之と失踪していることが分った。浮田の父親は仰天して庄吉の前に平伏し、倅めを見つけ次第刀にかけても成敗してお詫び致します、マアマア、そんな手荒なことはなさってはいけません、と彼もその時は大人らしく応待したが、さてその日から、彼は一時に懊悩狂乱、神経衰弱となり、にわかに顔までゲッソリやつれ、癈人の如くに病み衰えてしまった。

★

庄吉は後輩の栗栖按吉に当てて手紙の筆を走らせた。こういう時に思いだすのは、この憎むべき奴一人なのである。疑雨荘で女房が失踪したあとでも、女房子供と別居して彼の下宿へ一室をかりて共に勉強しようかと思いつき、その一室がなくて小田原へ落ちのびたが、落ちのびる前日風の如くに訪ねてきて、荷物を片づけてくれたのもあの憎むべき奴であった。