Classici giapponesi con furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Leggi 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.879 caratteri · 242 schermate
私には全くこの鼻息はなかった。私は先見の明がなかったので、尤も私は生れつき前途に計画を立てることの稀薄なたちで、現実に於て遊ぶことを事とする男であり、窮すれば通ず、というだらしない信条によって生きつづけてきたものであった。佐々木君や荒君は思想犯で警察のブタバコ暮しを余儀なくされて出てきたばかりであったから、生きぬいて自分の世界をつくりたいという希願が激しいのは当然でもあり、荒君は「石にかじりついても」どんな卑劣な見苦しいことをしてでも必ず生き残ってみせるのだと満々たる自信をもって叫んでいた。荒君は元来何事によらず力みかえってしか物の言えないたちなのだが、空襲の頃から特別力みだしたのは面白い。空襲に吠える動物の感じで、然しあんまり凄味のある猛獣ではなさそうで、取りすまして空襲を見物している私自身の方がよっぽどたちの悪い、毒性のある動物のような気がしていた。
平野謙が兵隊にとられたのもその頃のことで、彼も亦どんなことをしても玉砕しないで生きて帰ってくるよと言っていたが、私が彼を東京駅前で見送って、くだらん小説を読むより戦争に行く方が案外面白いぜ、と言ったら、人のことだと思って! と横ッ腹をこづかれた。