후리가나로 읽는 일본 고전
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
吉川 英治의 剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 150,635자 · 306화면
噂を伝え聞いて、或る時、訪ねて来た一人物がある。筑後柳河の人で南紀理介、槍術では海内無双という聞えがあった。
初対面の時は、武談だけして別れた。
「さすがだな」
お互いにその人間だけを観て別れたのである。
一月程後、南紀理介は、
「帰国するのでお別れに」
と、挨拶に来た。
そして国のみやげに、静山の槍を見たいと乞うた。
静山も、理介の槍を見たいと思っていたところである。人を払って、ただ二人、神厳なる床に立った。
壮烈を極めた名人同士の試合は、古来からの試合の記録を破った。朝の九時前後から立合って、午過ぎの四時頃になってもまだ勝負がつかなかったのである。熔鉱炉中の鉄と焔のごとく心魂を凝し合ったので板敷は二人の汗で辷るばかりであった。引分けとして、双方の槍を、後で眺めあうと、穂先はくだけて、何寸もささらのように欠け減っていたという。
四
父の市郎右衛門は早く世を去った。母の文子は多病であった。
静山の書斎の壁には、
七の日墓参
三八聴講
一六母のあんま
と書いて貼ってあった。
母の按摩をしたり、書斎で書物に向っている間などは、短い木刀を一腰さしているだけであった。