후리가나로 읽는 일본 고전
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
吉川 英治의 剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 150,635자 · 306화면
正成の戦死して後、ここは楠氏の本城地であった。十八郷の勤皇の将士の多くは、正成と共に湊川で殉じたが、なお孤塁には三千の忠精があった。巌のような結束があった。
「――だが、屈強な者は、目立って減っているな」
蔵六は、そう観た。
彼が、入り込んだのは、正平二年、足利勢の細川兵部大輔や山名時氏の軍が、脆くも年少の大将楠木正行のために、一敗地にまみれて敗走したすぐ後のことだった。
で、ここには今、戦捷の意気が漲っていた。山名細川の首も近く見ようぞ。春ともなれば、尊氏の首級を、京に梟けて、神璽を奉じ、主上の還幸をお願いし奉ろうぞ。そうみな希望にかがやいていた。
けれど、蔵六の眼で見れば、その人々の信念にただ驚くばかりであった。彼が仕えている足利の軍隊からみれば、兵数は勿論、兵器、食糧、装備の諸具、欠乏を告げていない物はない。
農倉の稗粟は云うまでもなく、畑の物も土を篩にかけたように喰べ尽している。龍泉寺の樹々も、ここの草木も、焚物として焚き尽し、立っているのは、風雨に黒くよごれた幾十旒かの菊水の旗ばかりであった。
わけてもここで欠乏して困っているのは、病舎にいるたくさんな負傷者に用いる陣中薬であろう。