일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

吉川 英治의 剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 150,635자 · 306화면

아오조라 문고

十

「於霜は、もう去んだであろうの。……良人の叔母御さまにも、忠隆の嫁も」

と、もう裏手から先に落して、四辺に見えない人々の身を案じ顔につぶやいた。

「はや、どなたのお姿も、見え参らしませぬ」

少斎が答えると、白い顎をこころもち落して、

「安心しました。……ああ!」

美しい瞳が、一瞬、星のように、上を仰いでみひらいた刹那、その真白い着物の胸からパッと緋牡丹のような血しおがほとばしった。少斎の薙刀は、彼女の胸をつき通していたのである。

十一

関ヶ原へ臨む前に、三成の策謀は、第一に思わくと喰い違った。

細川ガラシヤの死は、三成に、そういう姑息な手段が、真の武士の内室に対しては、何の効もないことを教えた。

三成も、愚将ではない。

「かえって、これは敵の陣営にある良人の意志を鞏固にする惧れがある」

そう覚って、次々の大名の室へ、同じ手段で臨もうとした最初の考えを断念してしまった。

ガラシヤは、当然他にも起るはずだった、多くの悲劇を、身一つで堰き止めた。幾多の犠牲を救いあげて、今は、もっとも容易い死へ赴いた。

関ヶ原の戦後、功によって細川忠興は、豊前小倉の太守に封ぜられたが、家康が基督教に対して弾圧政治を布いた後も、その小倉では、なお幾つもの礼拝堂が黙認されていた。