일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるかなたび

原民喜戦後全小説

原 民喜

原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면

아오조라 문고

と屋号の入っている弓張提灯を取出したり、商品戸棚の抽斗を引抜いてみた。事務室の方から算盤や物差や椅子や草履やボール箱が持出された。こうして、空想の材料が揃い、静三たちの演技が白熱して行くと、それは板の間から土間へ土間から夜の往来の方へ突進して行った。……それから、ここでは、幻灯会が催されることがあった。その玩具は父が大阪から土産に買って戻ったものだったが、幻灯をやる晩は弟の修造に付けて、近所の子供たちを招いた。すると弟はもう始める前から興奮しているのであったが、静三もいろんな絵を入替え取替えて写しているうちに、何か感覚が一新されるのであった。それは物語の筋とか人物の姿などからではなく、背景の色彩が彼の心を惹きつけるのであった。緑色の樹木とか青い空がことに美しく浮上ったし、黄や紅の色彩も溌溂と網膜に残った。幻灯会が終ると暫くは、あたりの物の象までなつかしい陰翳に満たされていた。静三はよく恍惚とどこか遠くにある素晴しい世界を夢みるのだった。

ある日、静三は電話室の脇にある戸棚の抽斗の前に屈んでいた。恰度その辺まで庭の青葉の光がこぼれてくる昼すぎであった。