후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면
と「旦那様」で区別していた。
「あれは天保十年のことでした。全く、あの時の御通行は前代未聞でしたわい。」
この金兵衛の話が出るたびに、吉左衛門は日ごろから「本陣鼻」と言われるほど大きく肉厚な鼻の先へしわをよせる。そして、「また金兵衛さんの前代未聞が出た」と言わないばかりに、年齢の割合にはつやつやとした色の白い相手の顔をながめる。しかし金兵衛の言うとおり、あの時の大通行は全く文字どおり前代未聞の事と言ってよかった。同勢およそ千六百七十人ほどの人数がこの宿にあふれた。問屋の九太夫、年寄役の儀助、同役の新七、同じく与次衛門、これらの宿役人仲間から組頭のものはおろか、ほとんど村じゅう総がかりで事に当たった。木曾谷中から寄せた七百三十人の人足だけでは、まだそれでも手が足りなくて、千人あまりもの伊那の助郷が出たのもあの時だ。諸方から集めた馬の数は二百二十匹にも上った。吉左衛門の家は村でも一番大きい本陣のことだから言うまでもないが、金兵衛の住居にすら二人の御用人のほかに上下合わせて八十人の人数を泊め、馬も二匹引き受けた。
木曾は谷の中が狭くて、田畑もすくない。限りのある米でこの多人数の通行をどうすることもできない。