후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면
上段の間という部屋が一段高く造りつけてあって、本格な床の間、障子から、白地に黒く雲形を織り出したような高麗縁の畳まで、この木曾路を通る諸大名諸公役の客間にあててあるところも似ていた。
熊は鈴の音をさせながら、おまんやお民の行くところへついて来た。二人が西向きの仲の間の障子の方へ行けば、そこへも来た。この黒毛の猫は新来の人をもおそれないで、まだ半分お客さまのようなお民の裾にもまといついて戯れた。
「お民、来てごらん。きょうは恵那山がよく見えますよ。妻籠の方はどうかねえ、木曾川の音が聞こえるかねえ。」
「えゝ、日によってよく聞こえます。わたしどもの家は河のすぐそばでもありませんけれど。」
「妻籠じゃそうだろうねえ。ここでは河の音は聞こえない。そのかわり、恵那山の方で鳴る風の音が手に取るように聞こえますよ。」
「それでも、まあよいながめですこと。」
「そりゃ馬籠はこんな峠の上ですから、隣の国まで見えます。どうかするとお天気のよい日には、遠い伊吹山まで見えることがありますよ――」
林も深く谷も深い方に住み慣れたお民は、この馬籠に来て、西の方に明るく開けた空を見た。