후리가나로 읽는 일본 고전
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 孤島の鬼(ことうのおに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 181,795자 · 359화면
不案内の私が、広い家の中を、まごまごしていると、廊下の曲り角から、母親のお高がひょいと飛出して、私の行手をさえぎる様に立はだかった。猜疑心の強い、不具の老婆は、私が何か家の中を見廻りでもするかと疑ったものらしい。だが、私が洗面所を尋ねると、やっと安心した様子で、「アアそれならば」と云って、裏口から井戸の所へ案内してくれた。
顔を洗ってしまうと、私はふと昨夜の唸り声とそれに関聯して土蔵の中の双生児のことを思出し、嘗つて深山木氏が覗いたという、塀外の窓を一度見たくなった。あわよくば双生児が、その窓の所に出ているかも知れないのだ。
私はそのまま朝の散歩という体を装い、何気なく邸内を忍び出し、土塀に沿って裏の方へ廻って行った。外は大きな石塊のでこぼこ道で、僅かの雑草の外には、樹木らしいものもない、焼野原の感じであったが、表門から土蔵の裏手に行く途中に、一箇所丈け、丁度砂漠のオアシスの様に、丸く木の茂った所があった。枝を分けて覗いて見ると、その中心に古井戸らしく、苔蒸した石の井桁がある。今は使用していないけれど、この淋しい孤島には立派過ぎる程の井戸である。