후리가나로 읽는 일본 고전
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 孤島の鬼(ことうのおに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 181,795자 · 359화면
私と道雄とは不審に堪えず、思わずお互の顔を眺め合った。そして、私達はアッと驚いてしまった。
私の目の前に立っているのは、最早や数日以前までの諸戸道雄ではなかった。乞食みたいなボロボロの服、垢づいた鉛色の皮膚、おどろに乱れた頭髪、目は窪み、頬骨の突出た骸骨の様な顔、成程刑事が老人と見違えたのも無理ではない。
「君の頭は真白だよ」
道雄はそう云って妙な笑い方をした。それが私には泣いている様に見えた。
私の変り方は道雄よりもひどかった。肉体の憔悴は彼と大差なかったが、私の頭髪は、あの穴の中の数日間に、全く色素を失って、八十歳の老人の様に真白に変っていた。
私は極度の精神上の苦痛が、人間の頭髪を一夜にして白くしたという不思議な現象を知らぬではなかった。その実例も二三読んだことがある。だが、そんな稀有の現象が、かく云う私の身に起ろうとは、全く想像の外であった。
だが、この数日間、私は幾度死の、或は死以上の恐怖に脅かされたことであろう。よく気が違わなんだと思う。気が違う代りに頭髪が白くなったのだ。まだしも、それが仕合せと云わねばならぬ。
同じ人外境を経験しながら、諸戸の頭髪に異常の見えぬは、流石に彼は私よりも強い心の持主であったからであろう。