일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

小出 楢重의 小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,351자 · 657화면

아오조라 문고

猛雨と激流と深い山々と岩壁と雲の去来の中を走る船は竜宮行きの乗合の如く、全くあたりの草木の奇しき形相と水だらけの世界は私に海底の心を起さしめた。ある旗亭でめしを食いつつ見おろした。嵐の瀞の光景は白い波と泥だらけの八丁だった。

中学時代に、私はこの十津川の九里峡を艪による船で下ったことがあった。それは晴れた八月だった。途中で夕立に会ったり、船で弁当をたべたり、話したり写生したりしつつゆるゆると下ったことを覚えている。今はプロペラーの音響によって妻に話しかけても知らぬ顔をしている。妻が何かいっても私には聞えない。友人も口を動かしているらしいがその意思は一切通じない。いい景色だということさえもお互に語り合うことの出来ない二、三時間は、昔の五、六時間の下り船よりも私に歯痒さと退屈を感ぜしめた。

しかしながら、この不精者をここまで引ずって来て自然の妖気に触れしめたことは即ちデイゼルでありプロペラーでもある訳だ。その代り妖気も神様ももうそろそろ引越しの用意に御多忙のことであろうと思う。

舞台の顔見物

高座へ上がる落語家、講談師、新内語りの名人達の顔を見るに、多くは老年であり何か油で煮つめたような、あるいは揉み潰したような、奇怪にして異様な有様を呈しているものが多いようである。