후리가나로 읽는 일본 고전
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たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
吉川 英治의 平の将門(たいらのまさかど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 232,193자 · 463화면
たまゆらの我が天国
そして、風向きにより、武蔵野の草も白くなるほど、灰を降らした。小次郎は、髪の毛の根に溜った灰を、爪で掻いて、不思議なものを見るように見つめた。
東海の汀に出れば、塩焼く小屋や、漁師の生活も、もう下総の辺りとは、文化のちがうここちがした。駿河路となれば、見た事もない町があり、寺院がある。そして、夜となれば、富士のけむりは、炎の華とも見え、海も燃ゆるかとばかり美しい。
平安の都は、これ以上、美しいにちがいない。道ゆく人々は、どんなに気高いだろうか。まだ童形を持つ彼の野性は、人のはなしだけに知っている藤原氏全盛の宮廷や巷を予想して、もうそこへ立ち交じる日の羞恥にすら、動悸していた。
たまゆらの我が天国
延喜十八年の晩春の一日。相馬の小次郎は、生国の下総から、五十余日を費やして、やっと、京都のすぐてまえの、逢坂山まで、たどりついた。
「そこの、低い山を越えれば、もう眼の下が平安の都だよ」
志賀寺の下で、そう教えられ、彼は、胸ふくらませて、西の視野の展けるまで、汗の顔を真ッすぐに持ったまま、長い登りを、登りつめた。
「……ああ」
と、やがて彼は、胆を天外にとばしたように、茫然と、また恍惚たる面もちで立ちすくんだ。