후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
信念からの発足でなかったことを自認せずにいられない。元来そういう大望を抱いていなかった自分であることも誰よりも自分が知っている。
その器でもなく、その大望もなかったと知る彼が、かくなって来たわけはただひとつ、「天下人信長」を討ったからにほかならない。天下人は、天下人を仆した者が代るという不文律が時代の中にある。それを否みようもなく光秀をして大難業に駆らしめ、光秀自身もまたひたぶるにその権化たらんと見せている。――にもかかわらず、光秀の心の奥底に棲む光秀の本質は、すこしもそこに自身の前途も理想も見出していない。
信念の根のない熱情を強いて振おうとする姿は狂躁にしか見えなかった。彼のねがいと満足とは六月二日の一火をもってもう果されていたのである。あの朝、信長の死を聞くや、堀川の陣にあった彼はうそか本心か、
(妙心寺の一室をかりて予も自刃せん)
といったという。そういう巷説が一時行われた。心ある者はそれを取って云った。
(なぜ死なせてあげなかったのか――)と。
伝えられるところによれば、その際、帷幕の重臣たちが極力それを引き止めたものだといわれている。或いはそうだろう。