후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
茂助吉晴は、いまでこそ、錚々たる羽柴麾下の一将だが、その青年期までは、岐阜の稲葉山つづきの山岳中に育った自然児である。彼の眼をもって見るときは、この天王山の如きは、ほんの一小丘としか思われないにちがいない。
「寺僧、起きろッ。山門を開けぬと踏みやぶるぞ」
堀尾の部下は、そこを叩きつづけている。戦いを予感して、寺内ふかく潜んでいた僧は、やがて紙燭を持って出て来た。そして山門をあけるや否、どこかへ隠れてしまった。
「つかまえろ、一名、道案内に――」
瀬兵衛たちが、それを求めているうちに、堀尾茂助の主従は、十数名しか見えなかったが、わき目もふらず境内を駈けて、裏山の道へのぼっていた。
瀬兵衛は、それを見送って、舌打ちしながら、捕えた僧を追い立てて、
「山上まで、案内せい。早く早く」
と、槍で脅していた。
とこうするうちに、山崎の町に陣していた高山右近の部下までこれへなだれて来た。――実にこの未明に行われた天王山先陣の士気の烈しさには、味方と味方のあいだにおいてすら相ゆるさぬものを互いに示していた。
味方と味方の負けじ魂は、時にきわどい摩擦を起こすし、全戦局を過るような危険もなしとはしないが、さりとて、この気魄もないような気魄では、敵と相見えても、直ちに、霊魂そのものとなって、身を投げこむことはできない。