후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면
とそっと言ったとあった。彼女をだますようにして幾日もそとへ泊らして置いて、その間に僕が行衛不明になってしまったもんだから、彼女はてっきりまた牢だと思っていたのだ。そして、パパは? と誰かに聞かれても黙って返事をしないかあるいは何かほかのことを言ってごまかして置いて、時々夜になるとママとだけそっと何気なしのパパのうわさをしていたそうだ。僕はこの魔子に電報を打とうと思った。そしてテーブルに向って、いろいろ簡単な文句を考えては書きつけて見た。が、どうしても安あがりになりそうな電文ができない。そしてそのいろいろ書きつけたものの中から、次のような変なものができあがった。
魔子よ、魔子
パパは今
世界に名高い
パリの牢やラ・サンテに。
だが、魔子よ、心配するな
西洋料理の御馳走たべて
チョコレートなめて
葉巻きスパスパソファの上に。
そしてこの
牢やのお蔭で
喜べ、魔子よ
パパはすぐ帰る。
おみやげどっさり、うんとこしょ
お菓子におべべにキスにキス
踊って待てよ
待てよ、魔子、魔子。
そして僕はその日一日、室の中をぶらぶらしながらこの歌のような文句を大きな声で歌って暮した。そして妙なことには、別にちっとも悲しいことはなかったのだが、そうして歌っていると涙がほろほろと出て来た。