후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면
四
細君や子供のあるものはそれを三等に乗せて、男どもだけが四等にいた。
その連中の中に、細君一人だけ三等に置いて、もう二十歳ばかりの息子と一緒にいた六十歳ぐらいの老ロシア人があった。品も何もない本当の百姓面に、両方のを合せると一尺あまりになる胡麻塩の太い口髯だけ厳めしそうに延ばして、きたない背広のぼろ服の胸に青だの赤だのの略章の勲章を七、八つならべていた。細君もきたない風の、やはり品も何もない顔の、お婆さんだった。そして、その息子は、大ぶ低能らしく、いつも口をぽかんと開いていた。
この三人はいつも三等のデッキで籐椅子の上に横になっていたが、ある日、お爺さんが僕の前へ来てこんにちはと日本語で挨拶して、あとは何だか分らないロシア語でぺちゃくちゃとやった。が、しきりに胸の勲章を指さしては何か言っているようなので、よく注意して聞くと、ヤ・ヘロ、ヤ・ヘロという言葉が時々繰りかえされる。ヤは俺で、ヘロは英雄だ。僕も仕方なしに、ダ・ダ・ヴィ・ヘロ(そうです、あなたは英雄です)とやってやった。それからなおよく聞いて見ると、ゲネラル(将官)で、日露戦争にも出たと言って、たぶんその時に貰った勲章なのだろう、胸の略章の一つを指さして見せた。