후리가나로 읽는 일본 고전
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
岸田 国士의 火の扉(ひのとびら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,467자 · 257화면
そういう口がございましたら、是非、お骨折ねがいたいと思いますの」
「ふむ……」
と、池内医師はうなつた。
細君は眼を細めて、この話をそばで聞いていたが、なにも口は出さなかつた。控え目ということはこの地方の婦人の特質で、すべて係り合いになることを避けるのが特に身分のある婦人の美徳とされているらしかつた。
「さようさな、わしはどうもそういうお世話をする資格があるかどうか、まあ、しかし折があつたら校長に話してみましよう。だが、当てにはなりませんよ。これで、看護婦とかなんとかいうんならね、また、わしの口で推せんのしようもあるが……」
「そりやあもうわかつておりますわ、先生、なんなら、たゞご紹介いたゞくだけでも結構でございますわ」
しかし、池内医師は紹介状を書くとは言わなかつた。
すこしたよりない希望をのこして康子は池内医院の門を出るには出たが、このまゝ家へ帰るのも芸がないので、洋裁の看板の出ている目ぼしい店を一つ二つ訪ねてみた。一軒は非常に丁寧に、一軒はぶつきらぼうに彼女をあしらつた。丁寧な方は来月から忙しくなるから、条件次第で手伝つてもらつてもいゝという話だし、ぶつきらぼうの方は、あなたみたいな立派な奥さんは使いにくいからと、もつともな断り方をした。