후리가나로 읽는 일본 고전
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
岸田 国士의 火の扉(ひのとびら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,467자 · 257화면
四
やがて、町はずれの片がわはやぶの茂つた坂道をおりようとしたとき、うしろからポンと背中をたゝかれて、彼ははじめてわれに返つた。
「きようはどこへ?」
北原ミユキの例のいたずらッ子のような笑顔が後ろを追つていた。そして、彼の返事も待たず、
「わたし、学校をやめることにしたの。子供を教えることなんぞ、もう興味ないわ。わたしもう自分勝手なことしたくてたまらんの。うゝん、それ、自由主義のまねなんかと違うのよ。あなたにわかつてもらえるかしら? こう、なんでもいゝから、徹底的にぶつかつてみたいの」
市ノ瀬牧人は、この一風かわつた女教師の宣言を、あ然として聞き、そして、それはやはり時代のさせるわざに違いないと思つた――
「へえ、すごい決心でおありだな」
四
市ノ瀬牧人の口からひとりでに出た感嘆の声には、むろん北原ミユキは正確な反応をみせた――
「そうよ、冷やかさないでよ。あなたなんかのんきにお百姓相手の仕事をしていられるからいゝわ」
「のんきに?」
と、彼は聞きとがめる。
「だつて、そうでしよう? お米がたくさんとれるかとれないかの問題でしよう、けつきよく。そんなことどうだつていゝじやないの」