후리가나로 읽는 일본 고전
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
岸田 国士의 火の扉(ひのとびら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,467자 · 257화면
軍閥つていえば、ひろい意味では、職業軍人の公私の生活を含めた一つの世界をいうんせ」
と、理論家をもつて自任する次席訓導が判決を与える。
「そういうこんだ。北原君は、なんだに、ちつとばか井出の家庭にかぶれとるに」
そう相ずちをうつたのは、平生から虫の好かぬ仁村という地主の長男坊である。
北原ミユキは、ぷいと眼をそらして、独言のように言つた――
「さうかも知れんわ。仁村先生がヒツトラーにかぶれとつたみたいに!」
その時、隣にいた女教師の一人が北原ミユキのひじをそつとつゝいて、
「みんなすぐ感情的になるからいやさ、わしや、それより、さつき校長先生が、――諸君は一度教育者としてのうぬぼれを捨てた上で、自分を新しく教育し直すことからはじめなければならん、なんて言いなすつたけれども、そうなると、自分を新しく教育してくれるのはだれかつていう問題になりやせん?」
と、話題を変えるつもりで、こんなことを言いはじめた。
「時代さ、時代だよ」
そう吐き出すように言つて、次席訓導がたち上る。
「良心さ、自分の良心だけさ」
と、だれかが応じる。
「時代にそつぽを向きさ、良心にちとばか耳をふさぐ癖がついとる人間どものことを云つとるんだでなあ、もつと/\、性根のつくような……」