후리가나로 읽는 일본 고전
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
吉川 英治의 剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 150,635자 · 306화면
いや、信長には、主君としてばかりでなく、もっとくだけた世話にもなっている。
光秀の二女の迦羅奢姫と、藤孝の嫡男の忠興との結婚を、取結んでくれた人も、信長であった。
今から四年前の天正七年に――迦羅奢姫十六、忠興も十六歳で、主君信長のお声がかりで華やかに婚儀をあげた間であった。
そういう光秀との関係は、偶然にできたものでは決してなかった。藤孝は、彼も自分も貧しい一介の浪人であった頃から、およそ光秀ほど、信頼していた人物はなかった。その学問や知識に関する態度のちがいはあっても、人間として沈着で、教養も深く、忍苦に強く、理性に富んで、しかも戦場では人におくれをとらない一方の驍将として――今朝の今朝まで、彼との縁を、悔いたことなど、ただの一度もなかったのである。
「その光秀が?」
と、藤孝は今も、息子の忠興へ、半ば憤ろしく、半ば信じられない事のように、
「信長公を弑逆し奉ったなどとは……。大逆の乱を起して洛内を合戦の巷にしておるなどとは……。夢か、天魔でも魅入ったか。信じられぬのだ。……しかし、刻々と、矢つぎ早やに諸方からのこの通状だ。また、光秀自身から、味方に参ぜよとの書状も今着いた。