후리가나로 읽는 일본 고전
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
吉川 英治의 剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 150,635자 · 306화면
「老人、遠慮は無用じゃ、床几へお倚りあれ。室内よりは、ここの木陰のほうが、むしろ清涼、ゆるりと語り申そう。――長政、老人へ床几をすすめてつかわさぬか」
「はっ。……老先生、あのように仰せられます。頂戴なされてはいかがでございますか」
「では、おことばに甘えるかの」
石舟斎は、ようやく、起って腰をうつした。
家康も剣道は学んだ。また、幾多の達人と称する者を見ている。
その眼と体験から見れば、石舟斎の何らの覇気も衒気もない、淡々たる朴醇な風は、これが上泉伊勢守なき後の宇内の名人かと疑われるほどであった。
が、さすがに家康は、
「これでこそ、真の名人」と、むしろその覇気のない姿に傾倒した。
「使いをもって、遠路、老体をわずらわしたが、実を申せば、江戸にある嫡子秀忠に、剣の良師を求めておる。早速であるが、徳川家に随身の意志はないか。それが問いたいのじゃ。もっとも長政を通じて、先に、余り気のすすまぬようなことは聞いておるが、もいちど、念のために……。どうであるな?」
家康は率直に、求めるところを云い出した。
それに対して、石舟斎は、心から頭をさげた。大きな知己の言として、感謝の色を満面にあらわして答えた。