후리가나로 읽는 일본 고전
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
吉川 英治의 剣難女難(けんなんじょなん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 243,807자 · 482화면
二
とそこへ出て来た一人の女。
その阿娜な声と阿娜な姿の持ち主をふと見ると、いまだに投げ槍小六との悪縁の糸に絡まれ、しかもその絆はきれずに旅から旅へのしがない生活を続けた後、この江戸三界まで転落してきたお延であった。
二
三坪ばかりな蓆囲いは暑そうに見えるが、裏口の一方を風入れに開けて、お火除地の夏草から来る涼風をうけているので、他目で思うよりは凌ぎ易いらしい。
商売道具の玉槍を、長いのから短いのまで、七、八本ばかり掛けてあるほか、あとは酒盃やら女の扱帯から銭入れの笊などが雑多に散らかっている。すなわちこの囲いの中が投げ槍小六の楽屋なのだ。
当の小六その者は、薄色の麻の小袖に襷をかけ、革袴の股立ち取り、客呼びの源七が合図の太鼓と一緒に、いつでも賭け試合の対手に飛び出せるばかりに身拵えをして、破れ扇を、バタバタさせていた。
「どうも今日はさっぱりいい鴨がかからないナ」
「何しろこの頃は、江戸中に何十箇所とふえたそうだから鴨の方でも少しくたびれ気味となったのも無理ではない」
こう云ったのは小六ではなく、彼の前にいぎたなく胡坐を組んでいた二人の浪人。
一人の方は、賭け試合の看板名に前座を勤めている金井一角で、小六がこの小屋掛けの地内を臂の久八から借りた縁引をもって、小遣い稼ぎに割り込んだものである。