일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よあけまえ

夜明け前

島崎 藤村

島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면

아오조라 문고

第五章

一

第五章

一

宮川寛斎が万屋の主人と手代とを神奈川に残して置いて帰国の途に上ったことは、早く美濃の方へ知れた。中津川も狭い土地だから、それがすぐ弟子仲間の香蔵や景蔵の耳に入り、半蔵はまた三里ほど離れた木曾の馬籠の方で、旧い師匠が板橋方面から木曾街道を帰って来ることを知った。

横浜開港の影響は諸国の街道筋にまであらわれて来るころだ。半蔵は馬籠の本陣にいて、すでに幾たびか銭相場引き上げの声を聞き、さらにまた小判買いの声を聞くようになった。古二朱金、保字金なぞの当時に残存した古い金貨の買い占めは地方でも始まった。きのうは馬籠桝田屋へ江州辺の買い手が来て貯え置きの保金小判を一両につき一両三分までに買い入れて行ったとか、きょうは中津川大和屋で百枚の保金小判を出して当時通用の新小判二百二十五両を請け取ったとか、そんなうわさが毎日のように半蔵の耳を打った。金一両で二両一分ずつの売買だ。それどころか、二両二分にも、三両にも買い求めるものがあらわれて来た。半蔵が家の隣に住んで昔気質で聞こえた伏見屋金兵衛なぞは驚いてしまって、まことに心ならぬ浮世ではある、こんな姿で子孫が繁昌するならそれこそ大慶の至りだと皮肉を言ったり、この上どうなって行く世の中だろうと不安な語気をもらしたりした。