후리가나로 읽는 일본 고전
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
吉川 英治의 大岡越前(おおおかえちぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 218,436자 · 437화면
立会う“横目”
ある境を生き抜くと、それから先の生き味はまた違ってくる。――生きてみなければ分らぬ先が人間には無限にあるからの。そう、四十や五十で、生き飽いてしまう程、浅い、薄ッぺらな、世の中でもない」
「……では、白洲の用意ができると、出なければなりませぬ故、ちょっと、中座さしていただきます」
「いや、御苦労だな。わしも物蔭で、聴かせてもらいたいと思うが、いいかの?」
「……どうぞ」
越前守は、そういって、用部屋へはいった。白洲に出るための制服――裃、袴に着更えるためであった。
立会う“横目”
奉行所へ罪人が曳かれて来る場合、それを牢舎に下げるには、どんな軽罪な者でも、即座に「仮吟味」を開き、一応、奉行自身が冤罪や偽構の事件であるかないかを確かめた上、奉行の口から、入牢申しつける――という法的な言明が下されるのでなければ、獄に繋ぐことはできない。
これは奉行所規約の大事な法例になっている。
しかしこの慣例も、近頃はくずれて、仮吟味を、自身番での下調べで済ませてしまったり、奉行に代って、与力の宣言で下獄させたり、いわゆる人権の扱いを極端に粗雑にする傾向が強かったのを、越前守が就役以来は、せめてそんなところに、庶民たちのささやかな人権が少しでも庇護されてあるものをと、務めてこの手続きは怠らないように、厳戒してきた。