후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
さっぱり返事がない。
「もし、お隣のおかみさん」
「どなた」
「隣の与八でござんす」
「おお与八さんかえ、何か忘れ物でもおありかえ」
「おかみさん、わしらが家の方はからっぽだが、どこへか出かけると言いましたかい」
「まあ与八さん、お前、知らないの」
「何だね」
「何だねじゃないよ、さっき伯母さんが、ちゃんと近所へ御挨拶をして移転をしておしまいじゃないか」
「移転を?」
「そうさ、その前にそら、お前さんと一緒に来たお松さんという可愛らしい娘衆は駕籠でお出かけじゃないか」
「ちっとも知らねえ、俺そんなことはちっとも知らねえ」
与八は面の色を変えて唇を顫わせる。
「まあそうなの、わたしはまたお前さんが先に取片づけに行っておいでのことと思ったよ」
「そしておかみさん、どこへ引越すと言ってました」
「あのね、四谷の方とか言ってましたよ、また近いうちに御挨拶に出ますって」
「俺に黙って引越すなんて……」
与八は呆れてホロホロと涙をこぼし、
「四谷のどこへ引越したんべえ」
声を揚げて泣き出さんばかりに見えましたが、何を思い出したか一目散に表の方へ走り出しました。
与八が御成街道を真直ぐに走り出して行くと、