후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,314자 · 398화면
「静かな晩景でござりやす」
竜之助はやり過ごした旅人を見送っていたが、
「少し待て」
「へい」
「お前はどこから来た」
「へい、氷川の方から」
「氷川? 氷川の何というものだ、名は……」
「へい、七兵衛と申します筏師で」
「待て、待てと申すに」
「何ぞ御用で……」
立ち止まるかと思うとかの男は身を飜して逃げようとするのを、竜之助は脇差に手をかけて手練の抜打ち。
侮り切って刀へは手をかけず、脇差の抜打ちで払った刃先をどう潜ったか、旅の男は飛鳥の如く逃げて行きます。竜之助は自分の腕を信じ過ぎた形になって、切り損じた瞬間に呆然と、逃げ行く人影をみつめて立っている。
早いこと、早いこと、飛鳥といおうか、弾丸といおうか、四十八間ある万年橋の上を一足に飛び越えたか、その男の身体はまるで宙にあるので、竜之助はその迅さにもまた気を抜かれて、追いかけることをも忘れてしまったほどでした。
脇差の切先を調べて見ると肉には触れている、橋の上をよくよく見ると血の滴りが小指で捺したほどずつ筋を引いてこぼれております。竜之助は右の男を斬り殺そうとまでは思わなかったが、斬ろうと思うた程度よりも斬り得なかったことが、よほど心外であるらしく、歯咬みをして我家の方をさして行くと、邸のあたりが非常に混雑して提灯が右往左往に飛びます。