후리가나로 읽는 일본 고전
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면
助手が首にかけた筆記盤の上を走らせる鉛筆の音ばかりが静かな空気を占領しました。
解剖室の窓の摺ガラスには日が当って、室内はマグネシウムの光で照された夜の墓場のようにあかるく、血のついた皮膚が、気味の悪いような白さに輝きました。一匹の、まだ蛹から出たばかりであるらしい蠅が、摺ガラスに打つかっては、弱い羽音を立てて居りました。その時私は女の黒髪を掻き分けて、耳から耳に、頭上を横断してメスを入れました。それから皮膚をはがして骨をあらわし、鋸をもってごしごし頭蓋骨を挽き始めました。男はそれを見て、半歩ほど後ろに退き、垂れた両手の先を二度、握ったり伸したりしました。然しやっぱり顔色を変えませんでした。次で私は脳を取り出して特別の台に載せ、メスを入れましたが、最早彼の身体には何の変化も認められませんでした。
愈よ私は腹部を解剖することにしました。円形のドームを見るような女の腹にメスを入れたとき、男の頸部前面に出て居る所謂咽喉仏が一度上下致しました。これを見た私は、幾分か彼の心を動かし得たことを思って愉悦を感じました。若し私の推定するごとく、嫉妬のために行われた殺人であるとすれば、女の妊娠中の腹が解剖されることは、可なりに男の心を戦慄せしめるであろうと思いました。