후리가나로 읽는 일본 고전
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면
二
彼等は釣り出されるようにして外出した。然し、外出はするものの彼等の心は彼等を包む夜よりも遥かに暗かった。平素彼等の武器として使用されて居る自然科学も、彼等の心を少しも晴れやかにしなかった。従って彼等は明日にも知れぬ命を思って、せめて、アルコホルによって一時の苦悶を消そうとした。だから、バアやレストオランが常になく繁昌した。彼等は歌った。然し彼等の唄は道行く人の心を寒からしめた。その昔ロンドンでペストが大流行をしたとき、棺桶屋に集った葬式の人夫や薬剤師たちが商売繁昌を祝ってうたう唄にも似て物凄い響を伝えた。
人々を襲った共通な不安は、却って彼等の個々の苦悩を拡大した。疫病の恐怖は借金の重荷を軽減してはくれなかった。また各人の持つ公憤や私憤を除いてはくれなかった。しかのみならず公憤や私憤は疫病恐怖のために一層強められるのであった。従って暑さのために激増した犯罪はコレラ流行以後、急加速度をもって増加するのであった。
二
本篇の主人公雉本静也が、失恋のために自殺を決心し、又忽ちそれを翻えして、却って殺人を行うに至ったのも、こういう雰囲気の然らしめたところである。