일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면

아오조라 문고

学問をするものは妻子があってはならない、というのが鯉坂君の持論です。これまで友人たちが何故かといってきいても、彼は決してその理由を説明しませんでした。総じて無妻主義というものは、思想上から起るのは稀であって、多くは生理的の欠陥とか、経済上の都合とかで起るものでありますから、鹿爪らしく説明するのは野暮なことであるかも知れません。ことに鯉坂君のごときは、研究に興が乗ると、昼夜の別なく熱中するのですから、細君が若しあったとしたら、随分迷惑をするにちがいありません。鯉坂君の無妻主義も、恐らくそうしたプラクチカルな理由から生れたのであろうと、思われます。

学問をするものは、いう迄もなく頭脳が明晰でなくてはなりません。ところが鯉坂君の頭脳は、明晰という言葉で形容するには、あまりにも複雑して居るように思われます。然らばどんな風に複雑して居るかといわれると一寸返答に困りますが一口に言うと、鯉坂君の頭は、融通がききかねるのであります。といって決して頭が悪いのではありません。彼は頗る懐疑的であると同時に、その趣味も相当に広いのであります。懐疑的な頭はいう迄もなく独創的でありまして、これ迄、鯉坂君は随分色々な研究を企てたのであります。