후리가나로 읽는 일본 고전
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
小酒井 不木의 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 196,140자 · 396화면
ハロルド・ロイドの「防疫官」と題する喜劇を説明して居るとき嘔吐を催おしたのであるが、真正のコレラであると決定した頃には、ぎっしりつまって居た観客は東京市中に散らばって、防疫の責任を持つ当局の人々は蒼くなったけれども、もはや後の祭であった。
疫病は破竹の勢で東京の各所に拡がった。毒性が極めて強かったためであろう、一回や二回の予防注射は何の効も奏せず、人々は極度に恐怖した。五十人以上の職工を有する工場は例外なく患者を出して一時閉鎖するのやむなきに至った。暑さは依然として減退しなかったので、飲んではならぬという氷を敢て飲むものが多く、さような連中はみごとにころりころりと死んで行った。皮肉なことには医師がだいぶ罹った。平素それ等の医師から高い薬価を請求されて居る肺病患者は、自分自身の病苦を忘れて痛快がった。やがて死ぬべき運命にあるものは、知った人の死をきくと頗る痛快がるものである。
どこの病院も伝染病院を兼ねさせられ忽ち満員になってしまった。焼場が閉口し、墓場が窮屈を感じた。葬式はどの街にも見られた。日本橋の袂に立って、橋を渡る棺桶の数を数える数奇者はなかったが、仕事に離れて、財布の中の銭を勘定する労働者は無数であった。