후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
光秀の影は、十間ほど後に、釘付けになったように立ち竦んでいた。
「お館ッ……」
返辞もしない。
高い若竹の茂りが風もない空に揺れている。ばらばらと頻りにする地の音はそれから降る夜露だった。
「如何なさいました」
帯刀が引っ返そうとしたときである。いったん馬のたてがみに俯っ伏して脇腹を抑えているかのように見えた光秀は、胸の下となった手綱の手をうごかすと、急に面を上げて、トトトトトと、小刻みに駒の脚を早め出した。
ものもいわず、帯刀の前もサッと先へ駈け抜けてゆくのである。不審には思ったが、まだ何も気づかずに、帯刀はそこから後になってつづき、作左衛門や与次郎も、それに倣って駈けつづいた。
三町ほどは何事もなくそのまま駈けた。先に待っていた茂朝、三十郎の両名もひとつになり、光秀は一行十三人の六騎目にあって進んでいた。
すると、ふいに村越三十郎の馬が竿立ちになった。とたんに三十郎の抜いた白刃が鞍下がりに左の脇を払っていた。
かつん!
と鼓膜をつき徹すような音響は、その白刃と竹槍のあいだから発したものである。
穂先を斬り落された青竹の手先が、ガサッと、竹叢のうちに隠れたのが、実に迅くはあったが、明らかに他の人々の眼にも見えた。