후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
見ると、彼方の蘆の岸から水面およそ半町ほど先をゆるい波紋が一すじ真っすぐに描かれてゆく。
それはまったく誰もが予想さえしていなかったことを、ふいに眼に見せられたときに出る敵味方なき驚嘆といえよう。
いま、琵琶湖の心をさして、一頭の馬は、鮮やかに水を掻いてゆく。そしてその波紋の中に浮きつ沈みつ見える白い陣羽織こそ、彼らがさっきから手に唾して求めていた左馬介光春のそれに違いなかった。
人間の想像力にはおよそどうしても一定の限界がある。あとでは当然その非に気づくことでも、事実のあらわれる瞬間までは、いつも十目十指的な常識の線から一歩も出られないのが普通らしい。
今、左馬介を逸した羽柴勢が、むなしく声をあげている心理も、われとわが常識を嘲けるに似ていた。
(甲冑を着、太刀を佩き、あまつさえ、今朝からの戦いに疲れ果てた左馬介が、騎のまま湖上にのがれ得るはずはない)
と、きめこんでいた考え方が、眼に見せられた事実によって見事にくつがえされたのであった。――鉄は水に沈むもの、という確乎不抜な通念のほうが顛覆を見てしまったのである。
大きな不覚にちがいないが、かくまで鮮やかに受けた不覚に対しては、戦国武者のあいだでは、敵ながら天晴なものとして、一時の歓呼を惜しまなかったのみか、