후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
母の城
母の城
三井寺の秀吉は、その本陣をそっくり十数隻の兵船の上に移した。馬も乗せ、金屏風も乗せた。十八日のことである。目的は安土への移動だった。
陸路にも軍勢が蜿蜒と東進していた。微風にうごく旗幟を乗せて湖上を行く船列と、湖岸をすすむ陸の行軍と――両々相映じてゆくさまは壮観というもおろかであった。
が、安土はすでに焦土である。ここに到着するや、ひとりとして、憮然としないものはなかった。
金碧の天守閣もない。外廊の諸門も総見寺の楼廂もほとんどあとかたなく焼けている。城下町はもっとひどい。野良犬の漁る餌もなかった。南蛮寺のばてれんがうつろな眼をして歩いている影が妙に目につく。
ここにあるべきはずの北畠信雄は、蒲生賢秀とともに江州の土山にたてこもり、いまなお伊勢伊賀の叛乱軍と抗戦中なることも来て見てわかった。
安土の放火は、直接、信雄が指揮したのでもなく、蒲生賢秀の意志でもないことが同時に判明した。一部軍隊の行為には違いないが、何か命令を穿きちがえたものか、敵側の流説に乗ぜられて、逸まったものらしく想像された。
「心ない業だ。取り返しもつかぬ。返すがえすも惜しいことを」