후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
急にそこはひそまり返る。誰のひとみも一すじの道の彼方にさす影を待っていた。寧子はもう眼にあやうげな潤みをたたえ、瞼にほのかな充血を見せながら、求める人々の肩の陰に佇んでいた。
間もなく一団の人馬はこれへ着いた。汗と埃のにおいはまた、騒然たる出迎え人のどよめきに包まれて、大吉寺の門前は一時、馬つなぎにいななく馬の影と、相擁して無事を祝しあう人と人の影で埋まった。
秀吉もまたその一人だった。彼は、部落近くから背を借りて来た駒を、いま山門の前で降りると、それを従者にあずけ、すぐ右側の列の端に並んでいた幼い童のひと群れを見かけて、
「どうだ、山の中は。遊び場がたくさんあってよかろう」
と、はなしかけた。そして手近な所にいた少年や女童の肩を打ちたたいた。
これらは皆、家中の者の家族だった。で、もちろん、それらの者の母親や祖母、老父なども立ち交じっていた。秀吉はその顔を一つ一つ見てあるくように歩を山門の石段の方へ運ばせながら云った。
「よし、よし。みなつつがなくこれにおるな。筑前も安心いたしたぞ」
それから左方の列へ顔を向け直した。そこには家士一同が粛然と頭を下げていた。