후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
二つには、夜に入って、それがしに、兵を伏せて途中で撃てとおさしずなされたはよいが、他の者にも、手勢をさずけて、本道以外の抜け道にも充分兵を配しておくべき当然な御用意が欠けていたのではございませぬか」
「たわけめが。――それくらいなことは、そちの一存でも、抜かるはずはあるまいと信ずればこそ、そち一名に申しつけ、他の将には、玄蕃の指揮によれとのみ、いうておいたのじゃ。……しかるに、本道のみに兵を伏せて、ついに秀吉を逸したことを、まるでわしの手落ちのようにぬかしおる。すこしは、己れの不つつかも省みたがいい」
「……ではもうこのたびは、玄蕃の失敗として謝りますが、叔父上にも、以後は余りに、智謀を弄す癖はお止めください。智を弄す者は、智に溺れる。またせっかくの機を逸しまする」
「なんじゃと。わしが智謀を弄ぶというのか」
「いつものお癖です」
「ば、ばかな」
「いや、世間でも、よく申しおりますぞ。――柴田どののお癖が出たといえば、又候、底に底があることのようにみな用心して」
「…………」
白髪交じりの太い眉を重たげによせて、勝家はおし黙ってしまった。
日頃は、主従以上、親子以上、仲睦まじい叔父甥であったが、狎るるに過ぎて、ひとつ蹉跌が生じると、ふたりの仲には、威令や尊敬を持とうとしても持てなかった。