후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
使いの者は、ようやく落着きを得て、懐中から一通の書面を取り出し、秀吉の前へさし出した。
それは妻の寧子からのものであった。浅井の残党や明智勢の襲撃に備えつつ一面留守をあずかる主婦として、老母の処置を案じたり、家中の女どもや、侍たちをも励ましながら、嵐のような不安と混雑の中で書いたものとしては、文字のすがたも落着いていて、日頃の便りと変っているふうは見えない。
しかし、さすがに内容の辞句には、これが最後の便りかも知れないと感じている痛切なものがこもっていた。
まず、老母のつつがなきを告げ、中国表の御進退も今こそ大事、おからだもこの時こそお大事――と述べ、お国許の儀は一切お案じ遊ばし下さいますな。日頃は何不自由なく安穏に暮させて戴いている私たち女どもでありますが、こういう時に巡り合ってこそ、内助の功とかも出来るものとありがたく思って、御老母さまを中心に、侍女の端までみな励み合っております。――ということから、終りに、
――たとえ万一の事あろうと、秀吉の妻がなどと、世に嘲われるような始末はいたしませぬ。万々、この方にはお心遣いなく、どうかこの大事の時をお乗りこえ遊ばしますように、それのみを、御老母さまも念じ上げていらっしゃいます。