후리가나로 읽는 일본 고전
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
徳田 秋声의 日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 346,393자 · 692화면
大分たってから、笹村はちょうど訪ねて来た深山と一緒に、どこという的もなしに町をぶらついていた。町にはどんよりした薄日がさして、そよりともしない空気に、羅宇屋の汽笛などが懈げに聞え、人の顔が一様に黄ばんで見えた。
「どこへ行こうかな。」
「三崎町へ行って一幕見でもしようか。」
二人はそんなことを呟きながら、富坂の傍にある原ッぱのなかへ出て来た。空には蜻蛉などが飛んで、足下の叢に虫の声が聞えた。二人は小高い丘のうえに上って、静かな空へ拡がって行く砲兵工廠の煙突の煙などをしばらく眺めていた。
笹村の苦しい頭には、何の拘束もなしに、おりおりこうして二人一緒にそこら中を歩いた時の記憶が閃いていた。笹村はよく劇場や食物屋のような賑やかな場所へ二人で入って行って、自分の寂しさを忘れようとした。今の苦しさもその時の寂しさと変りはなかった。
しゃがんで莨をふかしながら、笹村は自分と妻の性格の矛盾などを語り出した。深山はそれを軽く受け流していた。
「多少の犠牲を払うことぐらいはしかたがないとしておかなけア……君の心持で細君を教養するよりほかないだろう。世間には、細君を同化して行く例がいくらもあるんだからね。