후리가나로 읽는 일본 고전
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
徳田 秋声의 日本の文学 9 徳田秋声(一)(あらじょたい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 346,393자 · 692화면
杯のすんだ後のお今は、黒紋附を着た室と並んで、結納や礼物などの飾られた床の前の方に坐っていた。松に鶴をかいた対の幅がそこにかけられてあった。田舎から代りに出て来た室の親類の人たちや、出張店の店員などが、それに連なって居並んだ。世話焼き夫婦の紹介で、一同の挨拶がすむと、親類の固めの杯が順々にまわされた。互いに顔を見合っているような重苦しい時が、静かに移って行った。
室の叔父分にあたるという、田舎の堅い製糸業者らしい、フロックの男が、持って来た猪口を、浅井夫婦の前へ差し出したころ、一座の気分が、ようやくほぐれはじめて来た。
「今回は不思議な御縁で……。」
と、その男は両手を畳について、あらためて慇懃な挨拶をした。
浅井も丁寧に猪口を返した。製糸業などの話が、じきに二人のあいだに始まっていた。
お増夫婦のそこを出たのは、席がばたばたになってからであった。疲れたようなお今の姿も、その席にはもう見えなかった。
「これからです。徹夜飲みましょうよ。」
叔父は起ち上る浅井の手を取って、引き留めた。
帰ったのは大分おそかった。夫婦は、静子などの寝静まった茶の間で、そのままの姿で、茶を飲みながら、いつまでも向き合っていた。