후리가나로 읽는 일본 고전
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
菊池 寛의 日本合戦譚(あねがわのかっせん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 154,771자 · 313화면
余り周章てて居るので、相伝の旗を棄てたままにした。本多忠勝の士原田矢之助これを分捕った。堀金平勝忠、武田勢を追いながら、「旗を棄てて逃げるとは、それで甲州武士か」と嘲笑をあびせると、武田の旗奉行振り返って、「いやその旗は旧くなったものだから棄てたので、かけ代え此処に在り」と云って新しい大文字の旗を掲げると逃げ出した。堀「尤も千万な申分である。馬場、山県、内藤等の老将も旧物であるから棄殺ししたか」と云った。敗戦となると惨めなもので、どう云われても仕方がない。勝頼、猿橋の方を指して退いて居たが、従って居るのは初鹿野伝右衛門三十二歳、土屋右衛門尉弟惣蔵二十歳であった。惣蔵、容姿端麗にしてしかも剛気であったので、勝頼の寵愛深かった。惣蔵、兄右衛門尉の身を気づかって、馬を返すこと二度に及んだが、その度に勝頼も轡を返した程であった。勝頼の後三四町の処を、武田左馬之助信豊三四十騎をもって殿軍して居た。勝頼ふり返って、信豊の様子を眺めて居たが、伝右衛門を顧みて曰く、「我、信玄の時御先を馳けたるによって、当家重大の紺地泥の母衣に四郎勝頼と記したのを指した。当主となった後は左馬助に譲ったが、今見ると指して居ない。