후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
大杉 栄의 日本脱出記(にほんだっしゅつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,254자 · 151화면
が、僕の荷物のふろしき包みを持って来ている筈の、Wの姿が見えなかった。待合室の中にでもはいっているのだろうと思って、その方へ行こうとすると、中から誰か出て来た。姿は違うが、その歩きかたは確かにWだ。その旧式のビロードの服が、人夫か土方の帳つけというように見せるので、よくそう言ってからかわれているのだが、どこから借りて来たのか、今日は黒い長いマントなぞを着こんで、やはり黒のソフトの前の方を上に折りまげたのをかぶって、足駄をカラカラ鳴らしてやって来るところは、どう見ても立派な不良少年だ。
僕はWから荷物を受取ってもう発車しようとしている列車に飛び乗った。列車は走りだした。Wは手をあげた。僕も手をあげてそれに応じた。これが日本での同志との最後の別れなのだ。
前の上海行きの時には、Rがこの役目を勤めてくれた。偶然その日に鎌倉へ遊びに来たのだったが、行先きは言わずにただちょっと行衛不明になるんだから手伝ってくれと頼んで、トランクを一つ持って貰って、一里ばかりある大船の停車場まで一緒に行った。もう夜更けだったが、ちょいちょい人通りはあった。そして家を出る時に何だか見つかったような気がしたので、後ろから来るあかりはみな追手のように思われて、二人ともずいぶんびくびくしながら行った。