후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
ついては、来春の番あけを早くして、帰国のうえ会ってもらいたい。いま寺池と地境のことで掛け合っているから、その検分をするという名目で、涌谷へ来るがよかろう。おそくも三月までには会えるように、早いに越したことはないが、三月よりおくれては困る、こう書いて来られたから知らせる。という文面であった。
甲斐は読み終ると、机の上の文筺から鋏を取り、その紙をこまかく寸断したうえで、屑籠の中へ捨てた。
筆を元の箱におさめてから、堀内惣左衛門を呼んでその箱を渡し、屑籠へ手を振って、焼いておくように、と命じた。惣左衛門はただいま、と答えてさがった。
伊東新左衛門の住居は浜屋敷の中にある。甲斐は矢崎舎人と小者だけを供に、歩いて浜屋敷へいった。――伊東家に着いて、控えの間で衣服を直していると、七十郎がつかつかとはいって来た。九月中旬だというのに、紺染めの単衣を着て、葛布の袴をひきずるようにはき、無腰のまま、両手をふところの中で組んでいた。そのために逞しい胸があらわに見えており、酔っているのだろう、顔も赤かったし、その胸までが赤かった。
「ほう、来られましたか」と七十郎は云った、「たぶんおいではあるまいと思っていたんです、使いをやってもむだだって義兄に云ってたんですがね」