후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
すなわちたつ女の実兄の長男で、そのとき二十一歳であった。
狭い玄関には、たつ女が出迎えていて、煤けたような六帖の客間へ案内をし、言葉少なに、みまってもらった礼を述べた。おもやつれはしているが、挙措もおちついているし、言葉もはっきりと力があった。
「危篤と聞いたが」と甲斐が云った、「容態はどうか」
「はい、いましがた」とたつ女は俯向き、ついいましがた息をひきとったがと、低いけれどもしっかりした声で云った、「お使者を頂きましたとき、そう申しますと、おそれ多いからおみまいは御無用に願ってくれと、繰り返して申しておりました」
「――ひどく苦しんだか」
「がまん強い子でございましたから、口には少しも出しませんでしたけれども」
甲斐は眼をそむけながら、会ってやろう、と云った。
たつ女は躊躇した。部屋もむさくるしいし、息をひきとったばかりで、死躰もまだきれいにしてない。また当人が甲斐にみまわれることをひどく心苦しく思っていたから。などと遠慮を云ったが、じつは見てやってもらいたかったのだろう、甲斐が立ちあがると、いそいで立って、次の間の襖をあけた。
貧しい夜具の上に、丹三郎の死躰は、胸の上で両手の指を組み合わせて、仰向きに寝かされてあった。