후리가나로 읽는 일본 고전
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇(いきふどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 198,400자 · 387화면
桐沢台の別荘一軒だけであったし、それに村の寄付金なぞでもお願いにさえ上ればいつでも、快く随分たくさん出して戴いていたということ。
「もっともお邸の中ではかなりお楽しそうに、夜なぞ別荘の下を通りますと美しいピアノの音がして坊っちゃんや奥様の笑い声がしょっちゅう賑やかに聞えていたものでございますが」
と茂十さんはその頃を思い出すようにじっと眼を閉った。それが昨年の春、奥様がお亡りになって、了雲寺の墓地へおはいりになってからはパッタリと火の消えたように別荘はお淋しくなったが、そのうちにだれいうとなく坊っちゃんもだいぶお悪いという噂が立って、夕方なぞ時々田浦の町から搬んで来る氷が間に合なくて、あのお爺さんが淋しそうに村の氷屋へ氷を求めに来たということ。そして昨年の八月坊っちゃんが亡られた当時は、紀州のお国許の方からも多勢お里の方がお見えになっていらっしゃったが、もうその頃には女中さんの病気もだいぶ悪かったらしく、やがて女中さんの棺がまるで坊っちゃんの後を追うようにして了雲寺へ搬ばれ、続いてその後あのお爺さんが気がおかしくなってお邸の納屋で首を縊って亡られたとかで、すっかり後始末もつくと、紀州のお里の方はやがてみんなお国の方へ引上げておしまいになった。