후리가나로 읽는 일본 고전
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇(いきふどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 198,400자 · 387화면
五
家まで、二里余りはありましょう。山の畑の段々道、山裾を切り拓いた赤土の道、柿や蒟蒻芋を軒に吊した淋しい百姓家がちらほらと、冬枯れの山家は、荒涼としています。
その荒涼たる人影もない山の端に、磨ぎ澄ましたような物凄い下弦の月が、冴えています。その物凄い月の光よりも、もっと凄まじい兄の心に、どんなに重い気持で悩んでいたことでしたろうか。勿論、いくら思い倦ね考え倦ねてみても、どうしても思い当るところはないのです。ただこんな思い設けぬ、重大事が突発した以上、もう帰京する気には、どうしてもなれません。ともかく貴方と本省へ、風邪がこじれて三、四日遅れる旨の発報を、打ちました。
五
家へ帰って来ても、兄や嫂と顔を合せぬよう、どんなに私が苦労していたかも、貴方には察して戴けるであろうと思います。本来なら、そういう疚しいことがある以上、苦労するのは私ではありません。兄の方で苦労するのが、当り前だとは思うのですが、どうしても私には、兄や嫂に素知らぬ顔で、面を合せることができなかったのです。
私を呼ぶつもりで、茶の間で茶でも淹れているらしい嫂の気配を感じると、私は大急ぎで床をとって、寝てしまいました。