후리가나로 읽는 일본 고전
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇(いきふどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 198,400자 · 387화면
一
ば、この物語を話してくれた当の目撃者である主人公というのは当年五十五歳、いかにも律儀な田舎の商店の主人公にふさわしく、小倉の前垂れを懸けて角帯を締めた、とうてい嘘や偽りなぞは冗談にも言えそうのない分別盛りの人物であった。そして場所は上洲多野郡の某町。土蔵の二戸前も持って、薄暗い帳場格子には、今なお古風な大福帳なぞのぶら下げてある「越前屋」といえば、この辺きっての大きな古着屋であった。
では以下私と言うのは、ことごとくこの質実なる古着屋の主人公自らを指すものと御承知願いたい。
一
左様でごさいます、この辺の習慣で、私どもでも春と秋との年二回、東京へ品物の仕入れに出るのでございますが、ちょうどその年も、親父が小僧を連れまして仕入れにまいったのでございますが、雨ばかりよく降りました年で、夏の終り頃から、毎日雨がビショビショと降り続いていたように記憶いたしております。
もうだいぶ古いことでございますからハッキリともいたしませんが。……そうでございます、なんでも今年は莫迦に冷えが早く来たというんで、私ども、袷に羽織なぞを引っ掛けて店に坐っておりましたように覚えておりますから、十月の初め頃ではなかったかと思うのでございます。