일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇(いきふどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 198,400자 · 387화면

아오조라 문고

別段貧しいためというのではありませんが、いわば家業と弟たちの犠牲になって、行きたい学校もしたい学問も止めて、しかも一言半句の不平をいうでもなければ、不快な顔色を見せるでもなく、黙々として家の棄石に甘んじているこの兄の心を思えば、高等学校にいる時も大学にいる時も、また任官して倫敦や巴里にいる時も、私はどんなに感謝の念を、懐いていたか知れないのです。

そして、思いは弟も同じだったのでしょう。私のところへよこす弟の手紙も、常に兄への感謝の念を述べていました。

母の選んだ、十二、三里離れた小さな町の、造り酒屋の娘を妻として――これが私の嫂なのですが、どんせこれも田舎者ですから、自然その影響を受け、身装でも挙措恰好でもいよいよ兄は田舎者まる出しになっています。もし今兄を、東京の市中でも歩かせようものなら、浮薄な都人からはたちまち田舎ッペイとして、軽蔑されたり顰蹙されてしまうでしょう。が、この鈍重な田舎ッペイの中に潜む、尊い心が今日までどのくらい、私や弟に取っては感謝の的だったか知れないのです。

繰り返すようですが、私や弟は臨終にい合せなくても、この兄さえ付いていれば、兄夫婦の手厚い看護を受けて、何思い残すところもなく、母は世を去ることができたでしょう。