후리가나로 읽는 일본 고전
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
岸田 国士의 火の扉(ひのとびら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,467자 · 257화면
以前は、いくぶん、そういう単純な性格を俗つぽさとして軽べつする気味があつたのに、きようは、その同じ性格が、むしろ彼女の眠つている感覚をよびさますはたらきをした。ほんとに、彼女は、自分でも不思議なほどうき/\とした気分になつた。
で、彼女は、別に強いられもせぬ酒を、杯に二三ばい飲んだ。
これに引きかえて、市ノ瀬牧人は、しじゆう、むつつりとし、中園の不必要に高い声に対抗するような低音を時々はさんでいた。
康子は、しかし、そういう市ノ瀬の存在を無視するように、中園の一語々々に絶えず眼や、肩でこたえていた。それは、いまだかつて、市ノ瀬に向つてはみせたことのない、最も華やかな彼女の姿態であつた。しかし普通、彼などの想像し得る若い女のコケットリーとは違う。みじんも男性にこびるというようなところのない、却つて、そのために威儀をますとさえ思われるたぐいの、気取つて言えば、天上を舞う魅惑の権化そのものであつた。
市ノ瀬牧人のこういう観察は、うい/\しい驚きと、苦つぽいしつととをまじえてなされたことはもちろんであつた。そして、食事がおわり、子供たちが歌をうたい、中園が、ほんとにひと晩やつかいになつてもよいかと、夫人に念を押し、夫人は、気軽にひと晩でもふた晩でもとうけあい、やがて、寝床が敷かれようとするまで、彼は座をたちそびれ