후리가나로 읽는 일본 고전
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
岸田 国士의 火の扉(ひのとびら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,467자 · 257화면
しかし、若い女をぼくがたゞ紹介するのも変だし、君とぼくとの関係も説明しにくいしするし、ひとつ君がモデルになつてやるという条件で、話をしてみてあげるが、どうだ? というわけであつた。
彼女はそのつもりで、尾関についてやつて来たのである。
江原は、ちようどモデル難で閉口しているところだと言い、彼女をしばらく家に置くことを快く承知した。
が、そのまゝ、尾関も、二晩三晩と泊り込み、いつこう動きそうにない。江原も別に気にかける様子もなく、ついにもう六、七、八の三月、なんということなしに、二人は、江原家の客とも居候ともつかぬかたちで、根をはやしてしまつたのである。
北原ミユキは、江原の望むまゝに、完全なモデルの役を果すことにした。それは思いきりひとつであつた。男の前で、たゞ着物を脱ぐということではなかつた。それは、考えようによつては、神聖なひとつの天職のように思われた。芸術家の眼は、自分の裸のすがたをとおして、なにを見るのでもない。――肉体の美の秘密は、なにひとつ失われることなしに、芸術家のみにさゝげ得るものと彼女は信じていた。
彼女はしかし、この尾関が時々アトリエをのぞきにくるのがいやであつた。