후리가나로 읽는 일본 고전
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
牧野 富太郎의 牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,045자 · 185화면
私と大学
私はもう年も七十八歳にもなったので、後進に途を開くため、大学講師を辞任するの意はかねて抱いていたのであったが、辞めるについて少なからず不愉快な曲折があったことは遺憾であった。私は今改めてそれについて語ろうとは思わないが、何十年も恩を受けた師に対しては、相当の礼儀を尽すべきが人の道だろうと思う。権力に名をかり一事務員を遣して執達吏の如き態度で私に辞表提出を強要するが如きことは、許すべからざる無礼であると私は思う。辞める時の私の月給は七十五円であったが、このことは相当世間の人を驚かしたようだ。
私は大学を辞めても植物の研究を止めるわけではないから、その点は少しも変りはないわけである。
「朝な夕なに草木を友にすれば淋しいひまもない」
というのが私の気持である。
私と大学
昭和十四年から凡そ五十二年程前の明治二十年頃に民間の一書生であった私は、時々否な殆ど不断に東京大学理科大学、すなわち今の東京帝国大学理学部の植物学教室へ通っていた。がしかし大学とは公に於て何の関係もなく、これは当時植物学の教授であった理学博士矢田部良吉先生の許しを得てであったが、先生達はじめ学生諸君までも非常に私を好遇してくれたのである。